裏社会シリーズ

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第1章 Episode1

第1章 Episode5

裏社会シリーズ

Episode5:張り詰めた夜の偽装工作

夜の鶯谷は、ネオンの光に濡れたように輝き、街全体が静かな緊張感を纏っていた。
駅前を少し離れると、駐車場付きのコンビニはセブンイレブンくらいしかなく、送迎ドライバーたちはそこで両替やトイレを済ませる。若者のたまり場のような喧騒はなく、携帯電話の着信音とアイドリング音だけが夜気に響く。

🗺️ 鶯谷の“陣地”と暗黙の待機ポイント

ドライバーたちは自然とグループごとの“陣地”に散らばっていく。
Aグループは「いなげや」の前や裏手の公園周辺、
Bグループは日暮里駅と鶯谷駅の間、尾久橋通り沿いのパーキングメーターエリア(20時〜翌7時無料)、
Cグループは尾竹橋通りの三河島駅近く、韓国系ドライバーが集まる路駐ポイント。
それぞれの暗黙の待機場所が、この街の秩序を辛うじて保っていた。

👤 震える声の指示と胸騒ぎ

その夜、ママさんの声は震えていた。
「○○ホテルに行って。○○ちゃんがフロントにいるから、一緒に部屋で待機して」
胸の奥に嫌なざわめきが走った。

🏨 ホテルの部屋で待機──涙の説明

ホテルに車を停め、フロント周りを探すと、そこには怯えた顔の○○ちゃん(韓デリ嬢)がいた。
無言で頷き合い、適当に選んだ部屋に一緒に入る。
ドアを閉めた瞬間、○○ちゃんは泣き出し、片言の日本語と手振りで必死に説明した。

🚨 私服の影──逃げ込んだ理由

──ホテルを出た瞬間、スーツ姿の男に手帳を見せられ、声を掛けられた。
彼女は反射的にホテル内に逃げ込み、ママさんに助けを求めたのだ。

ママさんは電話で言った。
「私服警官よ。最悪な状況かもしれないわね…」
背筋に冷たい汗が流れた。

🎭 2時間の偽装計画

「休憩時間は2時間。その間、部屋にいなさい。
湯船にお湯を張って、ベッドも使って。
あなたの彼女って設定で話を合わせられるように、お互い名前を覚えて」
偽装工作の指示は緻密だった。

⏳ 張り詰めた時間と扉の先

時計の針が刻む音さえも耳につく、張り詰めた空気の中。
ドアの向こうに何が待っているのか──
想像するだけで心臓が早鐘を打つ。

そして、2時間後。
俺たちがホテルの自動ドアを開けた先に、待ち受けていたものは──。


次回予告:
Episode6では、ホテルの外に待ち構える私服警察官たちとの緊迫したやり取りをお届けします。
次回もお見逃しなく。



※本記事には暴力・違法行為に関する描写が含まれます。体験記録であり、違法行為を助長する意図はありません。登場人物・団体は特定できないよう配慮しています。

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