裏社会シリーズ

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第1章 Episode1

第1章 Episode18

裏社会シリーズ

目次(見出し)

  1. 🚔 警察の存在とリスク
  2. 🍶 飲酒検問の回避と判断力
  3. 👁 監視される街と情報網
  4. 🔗 裏社会のネットワークとドライバーの勘

🚔 警察の存在とリスク

夜の街で送迎車を走らせていると、常に気を配らなければならないのは客や嬢の安全だけではない。
警察の存在も常に意識していなければならなかった。

繁華街の交差点付近にパトカーが停まっていれば、その日そのエリアに近づくことは避ける。
一見何もしていないようでいて、職務質問を受けるだけでも大きなリスクになる。
車内にいる嬢の身元が明らかになれば、店やママさん、さらには業界全体に波紋が広がりかねない。

🍶 飲酒検問の回避と判断力

とくに注意を払っていたのが、飲酒検問だ。
尾久橋通りで鶯谷から日暮里方面に向かう途中、深夜になると頻繁に検問が行われていた。
その時間帯はホテルや寮への移動ルートを大きく変更し、検問を避けるように走らせるのが当たり前だった。

韓デリの嬢は客と一緒に酒を飲むことが多く、車内にアルコールの匂いが残っている場合が多い。
検問で窓を開けた瞬間、警官に疑いをかけられるだけで状況は一気に面倒になる。
質問攻めや職質に発展すれば、観光ビザで働く嬢にとっては致命的な問題となりかねない。

だから検問の情報が入った夜は、上野駅から西日暮里駅、三河島駅の周辺までルートを調整し、
街中を何度も迂回しながら送迎を続けていた。
その判断はベテランのドライバーだからこそできた仕事であり、常に街の情報にアンテナを張っていなければ務まらなかった。

👁 監視される街と情報網

夜の繁華街を走る車は、誰かに常に見られている。
競合グループの送迎車や、深夜営業の飲食店スタッフ、そしてもちろん警察。
「どこかで見られている」という意識がなければ、この仕事はできない。
ホテルに停まる場所ひとつにも気を遣い、バックミラーの視線にも敏感になる。
少しの油断が一瞬でトラブルに繋がる世界だった。

また、業界の内部にも目に見えない監視網があった。
他店のドライバーが街中で車を見かければ、「どの嬢をどのホテルに送ったのか」という情報はあっという間に広まる。
時にはそれが密告や通報に繋がり、店や嬢に不利益をもたらすこともある。
情報が命を握る世界で、送迎の運転手はただのドライバーではなく現場の目としての役割も担っていた。

🔗 裏社会のネットワークとドライバーの勘

この業界の裏には、複雑に絡み合ったネットワークが存在する。
広告代理店、各地のママたち、そして寮や物件を管理する韓国人オーナー。
そのネットワークは時に助け合いを生み、時に裏切りや競争を引き起こす。
業界で生きるためには、この見えないネットワークの流れを理解し、自分の立ち位置を常に把握しておく必要があった。

送迎車を走らせるのは、ただの運転作業ではない。
「街全体を読む」力が求められ、判断ひとつで命運が変わることもある。
繁華街を一晩中駆け抜ける送迎は、まるで張り詰めた舞台の上で行われる演技のようだった。
街の空気の変化を感じ取り、検問や警察の動きを察知し、ホテルや寮の動線を頭に叩き込み、
毎晩、緊張と情報戦の中で嬢を送り届ける――それがこの業界のドライバーに求められる力だった。




※本記事には暴力・違法行為に関する描写が含まれます。体験記録であり、違法行為を助長する意図はありません。登場人物・団体は特定できないよう配慮しています。

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