😮️💨 深夜トラブルの発端――クレームと平手打ち
深夜のホテル街は、普段からピリついた空気が漂う。しかし、その晩の出来事は、いつも以上に現場の緊張感を高めた。
その夜、客は嬢の接客態度に我慢できず、部屋から店に電話をかけてママさんへクレームを入れていた。
「この嬢はずっとスマホをいじっていて、まともなサービスをしない。お金を払った意味がない。」
電話越しの怒りは抑えられず、声は震えていたという。だがその最中、嬢が突然客の手からスマホを奪おうとし、怒りに任せて客の顔を平手で叩いた。
その瞬間、場の空気は一気に凍りつき、客はさらに逆上して「警察を呼ぶ」と言い出した。
🧾️ 謝罪の“封筒”――現金が担う火消し
ママさんは冷静な声で謝罪を繰り返し、「今すぐ伺います」と伝えて電話を切った。すぐに私に電話をかけ、「ホテルまで一緒に来て、封筒を持ってきて」と指示。封筒には現金が入っており、トラブルを収めるための謝罪のしるしだった。
車内でのママさんは一言も発さず、表情は硬く張り詰めていた。運転席の私はハンドルを握りながら、その空気の重さをひしひしと感じていた。
🚪 ホテル到着――凍りつく室内の空気
ホテルに到着すると、廊下の空気さえ張り詰めて感じられた。客の部屋をノックすると、険しい顔の客がドアを開け、私たちを部屋に通す。ベッドの端には、スマホを握りしめたままの嬢が座っていた。視線は虚ろで、状況を理解しているのかも分からない。
ママさんは部屋に入るなり深く頭を下げ、誠意を込めて謝罪を繰り返した。「本当に申し訳ございません…」。封筒を取り出してテーブルに置くと、客は黙って封筒を手に取り中身を確認。大きくため息をつき、怒りを飲み込むようにうなずいた。場はなんとか収まったが、室内の緊張は消えなかった。
⚡️ 車内の制裁と寮での決断
部屋を出てエレベーターに乗り込むと、ママさんの表情は冷静さを失い、怒りに満ちていた。車内に乗り込むや否や、後部座席に座った嬢の髪を掴み、韓国語で怒鳴りながら何度もビンタ。その言葉は怒りの嵐のようで、私は運転しながら息を呑むしかなかった。
店と客を守るための必死さの裏に、深い失望がにじむ。寮へ戻ると、嬢に荷物をまとめる時間すら与えず即時退寮の判断。嬢は呆然としたまま荷物を抱え、寮の外に立ち尽くした。
🫧 一晩の保護――沈黙の車内と揺れる心
行くあてのない嬢を見かねて、私は知り合いの韓国食堂に連絡を取り、一晩泊めてもらえるようお願いした。食堂まで送り届ける車内は沈黙に包まれ、彼女はずっとスマホを握りしめたまま、うつむいていた。表情には怒りよりも恐怖と絶望が濃く、胸が締め付けられる。
📝 業界の教訓――緊張感を支える影の役割
今回の出来事は、些細な態度や軽率な行動が一瞬で大きなトラブルへ発展することを改めて示した。警察沙汰になりかけたこの一件は、業界の危うさを象徴する一幕でもある。
ママさんはスタッフや嬢を守るため、時に徹底的に厳しく接さなければならない。その厳しさの裏には、命を懸けて店を支えてきた責任感がある。
謝罪のために手渡した現金の重みは、ただの金額以上の意味を持っていた。「安全を買う」という言葉が、ここでは現実として機能する。表では笑顔で回る裏側で、スタッフは日々この緊張と向き合っている。
※本記事には暴力・違法行為に関する描写が含まれます。体験記録であり、違法行為を助長する意図はありません。登場人物・団体は特定できないよう配慮しています。

