裏社会シリーズ

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第1章 Episode1

第1章 Episode15

裏社会シリーズ

Episode15:韓デリ店の舞台裏と運営の全貌

ママさんは業界のキーマンとして、広告代理店や雑誌編集部、さらには韓国人コミュニティのブローカーたちと太いパイプを持っていた。求人広告の内容や掲載の頻度ひとつで、どんな女の子が集まるのかが大きく変わる。広告のキャッチコピーは韓国語と日本語の両方で作られ、留学生や観光ビザで来ている女性たちに向けたメッセージが巧妙に仕込まれていた。

さらに、韓国通販雑誌の求人欄には「住み込み歓迎」「高収入保証」といった言葉が並ぶ。その裏には、初日からすぐに稼げる仕組みと、生活の拠点を用意してしまうスピード感があった。寮は古いマンションの一室からホテルの一角まで幅広く、ママさん自らが足を運び部屋の清掃状況や防犯を確認していた。

🎧 内勤の司令塔

内勤は深夜でも鳴り止まない電話を取り続ける。混雑時には同時に何本もの電話が鳴り、受話器を置く暇もない。 一つひとつの問い合わせに、声色や話し方で客の質を見抜く力が必要だった。「この客はトラブルの匂いがする」と感じたら、予約を受けない勇気も求められる。

電話越しのわずかな沈黙や語尾のクセから客の素性を想像するスキルは、経験者ならではの“職人技”だった。予約が入り次第、女の子の待機場所や送迎ルートを即座に組み立て、ドライバーに伝える。わずか数十秒の判断が、店全体の回転を左右していた。

👩‍🦰 嬢たちの採用ルート

嬢たちの採用ルートは複雑だ。韓国から直接ブローカーに連れて来られる子、友人の紹介で自然に流れてくる子、雑誌広告を見て応募してくる子。ブローカーを介した場合は、嬢のバックボーンや出身地まで詳細な情報が添えられることもあれば、逆に何も知らされないこともある。

中には事情を抱えて働きに来る女性も少なくなく、ママさんは彼女たちを見極め、現場の雰囲気を崩さないよう細心の注意を払っていた。

🚗 ドライバーの役割

ドライバーは単なる“運転手”ではなかった。待機所から寮、ホテル、コンビニまで、夜の街を縦横無尽に走り回る中で、客や嬢の安全を守る“盾”のような存在でもあった。

特に、ホテル街の暗黙ルールを知らない新人ドライバーはすぐにトラブルを起こす。狭い路地に停車するタイミングや、ほかの送迎車とのアイコンタクト、警察の巡回時間まで頭に入れておかないと仕事にならない。ベテランドライバーほど少しの異変に敏感で、客の態度やホテル前の空気感から“ヤバい気配”を察知していた。

⚙️ 現場はオペレーションチーム

こうして見ると、韓デリの現場は単なる風俗店ではなく、一種の“オペレーションチーム”のようだった。広告担当のママさん、戦場の司令塔のような内勤、そして前線に立つ嬢やドライバー。それぞれの役割が緻密にかみ合って、深夜の街に無数の物語が生まれていた。



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※本記事には暴力・違法行為に関する描写が含まれます。体験記録であり、違法行為を助長する意図はありません。登場人物・団体は特定できないよう配慮しています。

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