裏社会シリーズ

シリーズを読むならここから!体験者だからこそ書けるリアルな物語です。

第1章 Episode1

第1章 Episode4

裏社会シリーズ

😠 嫉妬・派閥・トラブルの現実

アガシたちは同じ場所で働いていても、実態は完全な競争社会だった。
寮の共同生活では、人気嬢・新人・古株の立場で派閥が生まれ、指名や売上を巡る嫉妬と衝突が絶えない。
小さな口論がエスカレートして手が出ることもあり、ママさんやブローカーが仲裁に入るのが日常だった。

泊りコースに出られる子は寮に居なくて済むため、泊りを好むアガシが多かった。
寮のせんべい布団やトイレは清潔とは言えず、ホテルで眠れる泊りは心身のリセットになる。
一方で、泊りで稼いでいる子に対し、寮待機のアガシたちは酒を飲みながら陰口や不満をぶつけることも日常茶飯事だった。

さらに酷い場合には、仕事に出ている間にスーツケースを勝手に開けられて金品を盗まれる、服を破かれる等の陰湿ないじめも起きた。
酒癖の悪さから取っ組み合い・殴る蹴るに発展し、流血騒ぎで深夜病院へ行き数針縫うこともあった。
顔に青あざができれば仕事に行けず、稼げないストレス→酒量増加の悪循環が続いた。

🤒 24時間待機と稼働パターン

アガシは基本的に24時間待機が当たり前。理想は夜22:00〜翌10:00の泊りコースを取ること。
タイミングが合えば0:00泊りや通常コースの掛け持ちもある。
朝10時ごろからは90分・120分コースを1日5本前後こなして、夜は泊りで締めるのが最高の流れ。
取り分は店4:嬢6。ハードな稼働の中で、稼ぎと体調のバランスを常に計算していた。

🚗 アガシたちの休日と送迎業務

わずかな休みの日は、上野のドン・キホーテや服屋への買い物送迎を頼まれることが多い。
夕方は韓国食堂で食事と酒、その後は鶯谷駅近くの韓国人が集まるカラオケスナックへ。
飲みすぎて自力で車に乗れないアガシを担ぎ込むのは毎回のような光景で、寮の部屋まで運ぶのも一苦労だった。

泥酔すると携帯を車内に置き忘れることが多く、深夜にママから「寮へ届けて」と呼び出されるのも日常だった。

🪪 在日社会の「保険証貸し出し」システム

ビザなし短期滞在(90日以内)で来日したアガシは、日本の保険証を持っていない。
そこで在日コミュニティが裏で保険証を貸す仕組みが存在した。
診察料は割高になり、借りた側は1回あたり1万円前後を支払うのが相場。
もちろん違法で、利用する側も常に緊張が伴った。

🩺 闇医者・違法往診ネットワーク

病院に行くリスクを避けるため、闇医者や違法往診が重宝された。
日暮里周辺には裏社会御用達の診療所があり、深夜でも呼べば来る医者もいた。
診察代は2〜3万円、薬代は現金払いで領収書はなし。
このネットワークは、アガシの健康を支える皮肉な「命綱」だった。

💅 美容と裏社会ネットワーク

寮にはマツエクやネイルを施術する韓国人も出入りし、仕事用の身だしなみを整えた。
こうした施術者の送迎も私の役目で、夜遅くの呼び出しも多い。
さらに違法在日施術者疲労回復の点滴を打ちに寮へ来ることもあった。

店側はアガシの健康管理に関心がなく、金を作る道具扱いというのが現実。
また年上に逆らえない韓国社会の文化もあり、在日のお姉さん格に「やりなさい」と言われれば断れない空気があった。
こうして美容ケアや点滴は、裏ネットワークの中で半ば強制的に受け入れられていった。

🛂 イミグレーション突破の関門

入国審査は最大の難関。ブローカーは「友達に会いに来た」と答える等のシナリオを用意し、
浅草や後楽園のビジネスホテル予約票を持たせる(この費用も借金)。
入管に「友達に電話しろ」と言われると、日本語が堪能な在日のアジュマが通訳役で対応した。
それでも“出稼ぎ目的”と疑われ入国拒否になることは珍しくなく、私は空港で5〜6時間待機させられたことも何度もあった。

🚕 ドライバー視点の付き添いとリスク

私は新規到着と帰国の空港送迎を担当し、1回の単価は約2万円(高速・ガソリン込み)。
当時の往復高速は約5,000〜6,000円、時間があれば下道を使ってコストを抑えた。
病院や闇医者、施術者の送迎、泥酔アガシの搬送、忘れ物の深夜配達まで、ドライバーは裏社会の潤滑油のような役割だった。
常にリスクと隣り合わせで、一歩間違えば逮捕という緊張がつきまとった。


次回のEpisode5では、夜の街でのトラブル・警察沙汰・逃げ場のない緊張感を中心にお届けします。

Episode3へ目次へ戻るEpisode5へ


※本記事には暴力・違法行為に関する描写が含まれます。体験記録であり、違法行為を助長する意図はありません。登場人物・団体は特定できないよう配慮しています。

タイトルとURLをコピーしました